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海外「食」レポート
今月の「学会」レポート
京都・名酒館 主人 瀧本洋一の「旨酒」
マスターソムリエ 岡昌治の「心に残る今月の一本」
名店の賄い
Vol.4 第四回「ショコラティエ なかたに」
Vol.3 第三回「料亭 いか里」
Vol.2 第二回「神戸北野ホテル フレンチレストラン・アッシュ」
Vol.1 第一回「祇園 さ々木」

名店の賄い
「賄い」 とはいえ、名店のこれとなると、毎日一体どんなものを?と気になって仕方がありません。
「賄い」の有り様によって店の哲学がみえてくる・・・そんな大仰なことはまったく考えておりません。興味津々、食べてみたい!お願い食べさせて〜!!という情熱だけで設けたこの企画。毎度、ご馳走様です。



第四回 2008年5月20日
「ショコラティエ なかたに」

とりそぼろ丼弁当 マカロンのデザートつき

基本データ
上本町の「なかたに亭」本店では、毎日お昼はシェフを含むスタッフ全員で賄いを食べていますが、谷町四丁目のショコラティエにはありません。というわけで、週2回、中谷シェフお手製の「賄い弁当」が届けられています。

曜 日: 火曜日と金曜日(市場がある日だけのスペシャル)
時 間: 8時半過ぎに市場から戻ったシェフがパティスリーで作り、10時過ぎにショコラティエへ運搬。12時半からスタッフが交代で
人 数: 2名分
担 当: 中谷哲哉シェフ自ら!
メニュー: ジャンルは和・洋・中と何でもありですが、お菓子屋だから食材が沢山豊富にあるわけでは無いので、バリエーションを増やしていくにはアイデアと工夫が必要です。ひとつこだわっているといえば、できるだけ季節感を盛り込むということかな?
さらに、ショコラティエのお弁当は作ってすぐに食べるというわけにはいかないものなので、メニュー選びにはちょっと気を使います。
でも、結局はお母さんが作ってくれるような、ごはんとおかずがいろいろ詰まった「ふつうのお弁当」が一番うれしいらしいですけど…それが意外と手間がかかって、一番大変だったりするんですよね。(笑)
予 算: 特に決めていません。

とりそぼろ丼弁当
■材 料
鶏ミンチ、おくら、卵、みりん、しょう油、塩、グラニュー糖
■作り方
中谷シェフ、市場から戻る。 8:30a.m.
中谷シェフ、市場から戻る。
9:00a.m.
シェフ・コートに着替えて、アトリエの作業状況をチェック〜指示出ししてからお弁当作りを開始。
中谷シェフ、市場から戻る。

おくらのへたの硬いところをぐるりと剥き取り、軽く塩もみして、さっと熱湯にくぐらせ、ざるにあげる。冷めたら、小口切りにする。

鶏ミンチにみりん・塩・グラニュー糖を加え、良く混ぜなら弱火にかける。少し火が通ったところでしょう油を加え、さらによく混ぜながら加熱にてそぼろに仕上げる。

卵は割って、砂糖・塩・しょう油を加えて良く混ぜ、鍋に入れて弱火にかけ、よく撹拌し、状態をみて火加減を調整しながらそぼろに仕上げる。

ごはんの上に鶏そぼろ、卵、おくらを盛りつけて出来上がり。(鶏そぼろと卵は少し甘めに仕上げるのがポイント。)

愛シェフ弁当  誕生秘話
ある取材にお伺いしたとき、ふとした雑談の中でこの「賄い弁当」の存在を知りました。
「賄い」とは、本来料理店などで残った食材を用いて作るスタッフ食で、基本的には料理用の食材を扱わないお菓子屋では「賄い」はないお店も多いそうですが、中谷シェフは「賄い」を殊の外大切にしていらっしゃいます。一人暮らしのスタッフも多いので、食費が一食分浮くとか、栄養面など、体のことを気遣ってという側面もあるけれど、何よりも「美味しいものをみんなで食べる楽しさを味わって、食べることに興味をもって欲しい」という強い願いがあるそうです。
「なんてカッコええこといっても、ほんまは自分が美味しいものを食べたい、いうのが本当の理由やけどね。」とシェフは少し照れていらしたけれど、「食=人生」に対する熱い情熱と強い信念を持つ中谷シェフならではの、心意気と愛にあふれるお話に、とても感動したことを覚えています。
 しかし、3年前にショコラティエ をオープンされた当初は、新店舗にはキッチンも無く、こちらに「賄い」はありませんでした。スタッフのみなさんは毎日近所でお弁当やパンなどを買ってきて食べていたそうです。「パティスリーの方では毎日みんなで楽しく賄いを食べているのに、何だかかわいそうになって…そしたら毎日は出来ないけれど、せめて市場のある日だけでも…とお弁当作りを始めてみました。」…と、かくして「賄い弁当」は誕生しました。
「スタッフも喜んで、楽しみにしてくれているようだしね…週2日だけ、パティスリーチームの1/3だけだから、3倍美味しいものを作ってあげられるように3倍頑張っているつもりなんだけどね。」…と、今日もシェフ自らが作られた「愛シェフ弁当」が届けられました。
実食
お弁当が到着今日のお弁当は何かな?と、スタッフのみなさんもワクワクお待ちかね。
10:00a.m. オープン前のショコラティエに商品と一緒にお弁当が到着。
「うわぁ〜、鶏そぼろ丼!美味しそう!!いちごも入っている〜マカロンも〜!!」と、お弁当をチェックしながら思わず笑みがこぼれます。早くもお昼が待ち遠しい…そんなスタッフのみなさんを横目に「必殺!早弁」開始。

 さすが、お弁当も彩り華やかで、ケーキのように美しい仕上がりです。(そういえば、そぼろを仕上げるシェフの手の動きも無駄無く美しく、完全に「パティシエの技」でした。)お味の方もやさしい甘みがふんわり。また最後にマカロンのひと口デザートが、食事の美味しさ・楽しさを何倍にも盛り上げます。小さな控え室で、一人で食べていても、なんかこうあたたかい気持ちに包まれるといいますか…ベタですが、美味しさのいちばんのスパイスは、やっぱり「愛」だよ、「愛」!と、しみじみ思ったのでした。
 こんなステキなお弁当を週に2回も食べられるスタッフのみなさんったら、幸せもの〜っ!

「必殺!早弁」開始「本当にそうですよね。すっごくうれしいんですけど、でもシェフの負担になっていないかと、心配もしています。」(スタッフ談) なんという、麗しき師弟愛。「次は何がいい?とか、リクエストも聞いて下さって。私はごはんものが好みなんですが、別のスタッフはパン系が好きなので、ケンカをしないようにと気を使って(笑)交互に作ってくださいます。これからの季節には、冷製パスタも待ち遠しいメニューです。」
…うむむ、それは聞き捨てられない情報。私も週2回、通わせていただきたいです!連載企画にしちゃおうかな?!

ごちそうさまでした。
文・写真・山崎・編集部
【店舗紹介】
ショコラティエ なかたに
「自分らしい場所で、自分のやりたいことをかなえる店」として、まるでシェフの「秘密基地」の如く、地下の一室に造られたチョコレート専門店。この春からは、シェフの遊び心がいっぱいの、新作/全16種類の生キャラメルが、色彩も豊かにショーケースを飾っています。
大阪市中央区鎗屋町1-4-1
TEL:06-6943-0023


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