いやぁ、もう、年末年始はバタつきまして・・・。
でも、「お正月」の声を聞くと、やっぱりお酒を飲みたくなるのがまだまだ日本人というものなんだなぁ〜ということを実感できて、嬉しい悲鳴でした。
年の始めなので、何か明るい話をできないものかと、いろいろと考えてみたのですが、明るいニュースが聞こえてきませんね。(笑)
「日本酒存亡の危機」ということに関連したお話をさせていただきましたが、どうやらそういう局所的な話では済まない、日本の「食」の未来を担う私たち自身に異変が起きているという話が大変気になっています。
「食品の消費期限の偽造問題」など、随分と大きな社会問題となっておりますが、ちょっとおかしな話だな?と感じることもあります。そもそも「消費期限」などという基準のなかった時代は「苦み」で毒性、「酸味」で腐敗の危険を判断していたわけで、そういう味覚を通して人間の「感覚・能力」が鍛えられてもいたわけですよ。それが豊かな社会になって、食べるものも「商品」として食べきれないほど流通するようになって、「消費期限」の切れたものはどんどん捨てられてしまうようになった。それと同時に、私たちが本来持っていた感覚や能力も失ってしまったんですね。
その結果、「旨味」がわからなくなってきたというから困ったものです。専門家によれば「五味」が感じられない、特に「苦味」と「酸味」がわからない「味覚音痴」が若年層を中心に社会問題化しているという話です。豊かで飽食の世の中になって、嗜好が甘物や肉類などに偏っていったことなどが一因のようです。
子供の頃に、この味覚の発達が妨げられると、大人になっても「旨味」を感じなくなってしまうんだそうです。昔は、子供の頃は好まぬ味でも、大人になると味覚が変わっていって美味しく感じられるようになるという切り替えが、和の生活様式の中にはあったのですが、そういう多様性の豊かさが無くなっていってしまうんでしょうか?
世間では盛んに「食育」という言葉も叫ばれておりますが、将来にわたって美味しくお酒を飲んでもらうためにも、子供の頃からの味覚の鍛えが重要ということですね。そのためには「リッチ」とか、そういうことではない本当の「豊かさ」、ふつうの暮らし、日本の風土に合った伝統的な和食、家族でテーブルを囲んで会話をしながら食べることも唾液がでて美味しくするとか、本当にそういう「あたりまえ」だったことがすごく大切なことだという、「あたりまえ」のことに気づかされます。
そういうことを見つめ直す意味でも、お正月とはいいものですね。ご家族で、おせちやお雑煮といった日本の伝統食をいただきながら、美味しい日本酒を飲んでいただいて、「本当の豊かさ」、そんなことを少しでも味わって、新たな良い年をお迎えでいらっしゃいますことを願っております。