広東地方では、夏前から各種の瓜が出回ります。
冬瓜や、冬瓜の一種でその早生の節瓜。苦瓜。2種のへちま類、胡瓜などです。
ことに節瓜は小ぶりであることから「例湯」と呼ばれる日替わりのスープの具材になる他、丸ごと一個に乾燥素材などを詰め、あんかけ仕立てにした料理などは夏場の宴会料理に登場することもあります。
苦瓜、へちま、胡瓜は、もっぱら惣菜に用いられ、広東料理店などでは季節の旬の素材を使った「小菜」の料理として登場します。
2種あるへちま類のうち、胡瓜に似た形状で細長く、深緑色をしたのが「勝瓜」。薄緑色で、表面が滑らかで、ぼてっとした楕円状の瓜に似たものが「水瓜」。いずれも、炒めもの、炒め土鍋煮込みの「煲仔」の料理の素材となり、後者は掻き揚げとして料理されることもあります。
今回のはぐら瓜の実態、詳細は不明ですが、白瓜の一種のようで、関東を中心にかなり前から栽培され、主に漬物の材料に使われてきたようです。果肉はきめ細かで、爽快な青い清涼感と同時に、甘味があるのが特徴です。神戸生まれ、育ちの私には、子供の頃、夏場に三田からやってくる野菜売りのおばさんから買っていた瓜に似たような印象も受けました。が、清涼感はともかく「はぐら瓜」ほどの甘さがあったかどうか。また、奈良漬に使われる瓜にも似た印象も受けます。
そうした「はぐら瓜」の持ち味、特質を生かした料理ということで、香港で夏場の代表的な家庭料理である「へちま」、「きくらげ」、「えび」の炒め物である「勝瓜雲耳炒圍蝦」をもとに、「へちま」を「はぐら瓜」に代えたのが今回の「白瓜雲耳炒圍蝦」です。
火を通した「はぐら瓜」の独特の触感、つるんと滑らかな舌触りや、すっと歯が入る独特の歯触り、「青香」と称される青く爽快な清涼感と特有の甘味、風味が味わえます。
ちなみに「はぐら瓜」の収穫は7月半ば頃から8月終わり頃までで、今回のものは最後の収穫、名残りものです。その味、風味が変化し、より熟成したものになっていると思います。
ほかに、「四葉胡瓜」(華北原産で、日本で栽培されるようになった胡瓜の一種。パリっとした歯触り、噛み応えのある触感や、青くささと柔らかな苦味があり、水分は少ないものの、瑞々しい味、風味を持つ)に代えた「青瓜雲耳炒圍蝦」などもあります。