“ケツマワシ”って知ってはりますか?
実はね、先日『La CAVE de RIHGA』のスタッフを連れて、大阪・柏原にある『カタシモワイナリー』を見学させてもらいに行って来ましてん。大阪にも、市内からちょっと東に、1時間ほど電車のって、最寄りの駅から車で10分くらい山登ったら、立派なワイン畑がありますねん。皆さん、ご存じありませんか?
ワイナリーの社長・高井さんとはご縁あって、色々とワインやぶどうのことを教えていただいたり、先輩・カハラの森さんと結託して高井社長を騙して(笑)100坪ほどの畑にメルローを栽培してもらって、秘密のワインを造ってますねん。そういう深〜い縁で、色々と面倒を見てもらっているお方です。
大阪、河内あたりには古くから自生のぶどうがあったらしいですわ。食用に栽培されはじめたんは明治以降、そのころは貴重品で贈答用にひとつひとつ丁寧に栽培されていた。で、落ちたクズで作っていたのが「ぶどう酒」ってわけ。それが河内ワインのはじまりらしいですわ。
昭和の初め、大阪は全国一のぶどうの生産地やったんやて。今は市内のまわりの市町村はベッドタウン化して、住宅地が押し寄せてきて煽りをくった。
そんな中で、ずっとぶどう畑を守って、頑張ってワインを造り続けていらっしゃるワイナリーさんです。
摘み残しのぶどうが少し残る畑を、カベルネ、シャルドネ…と品種毎に見学させてもらっているときに、大阪を代表するぶどう品種・デラウェアでスパークリングワインを作ったいう話を聞いてね、おもろいやんか。それに「“ケツマワシ”で作ってますねん」と言わはって。何やそれ?っていうんで、造ってはる蔵をみせてもらいに早速移動。
びっくりしたね〜。国産のスパークリングは後からガス混が多いんやけど、ここはシャンパーニュの、それも小さなメゾンと同じ、今流行りの「RM(レコルタン・マニュピュラン)」やね、“Méthode Traditionnele”、伝統的な手作りの手法でやってはりますねん。
すなわち、瓶内の二次発酵で自然なガス=泡が生まれるわけや。瓶内で二次発酵させるとガスができるのと同時に澱が生じる。それでPupitre(ピュピートル)いう穴のあいた棚に瓶詰めしたワインを逆さに差して、Remuage(ルミアージュ)といって毎日瓶を回しながら三ヶ月程徐々に瓶口へ澱を集めていって、最後にDégorgement(デゴルジュマン):瓶の口を凍らして澱を抜きますねん。
「フランスからピュピートル買ってきて、見様見真似で、こうして“ケツマワシ”で造ってみました」と。分かった? ルミアージュ=瓶のおしりを回して澱を集める…お尻…ケツ…マワス…で、“ケツマワシ”!ルミアージュのことやったんやぁ。シャンパーニュの伝統技術がここ大阪では“ケツマワシ”となって、地場のぶどうでこんなに美味しいスパークリングが生まれていたとはねぇ…
そういうことやったんか…合点。